コースを掘り返すことの意味

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2019年MXGPイタリア(イモラ)のスタート整地です。
日本ではブルドーザーが使われることが多いですが、コース全体の整地が完了したら微調整はショベルローダーとトラクターで行うのが「世界」ではスタンダードになっています。もちろん去年のMXoN US大会でもそうでした。
その中でもスタートから1コーナーの立ち上がりまでは特に入念なメインテナンスが施されます。とにかく深く掘り返して平に均す。
去年のMXoN RedBudは1〜2コーナーがほぼ180度に近い切り返しだったので、2コーナー立ち上がりまでキッチリと掘り返し作業が行われていました。それはなぜなのか⁉︎

第一は安全対策。それと同時にレースの見応えをアップさせるために不可欠な作業だと、ずいぶん前、どこかのGPか MXoNのプレスカンファレンスで聞いた記憶があります。 日本では⁇
これも随分前のことですが、ある女性のファンの方から「全開のスタートの後、一瞬静寂があるじゃないですか、あの瞬間が好きなんです。」と言われて、⁇⁇になったことがありました。この方に言われるまで、それが当たり前だと思っていたし、1コーナーの新入は絶対に外せない撮影ポイントで、ファインダーに集中して気にしてもいなかったんです。
確かに意識して聞いていると、当時の全日本はSUGOもオフヴィも1コーナー進入時はフルスロットルから全員フルブレーキングで、数秒の間エンジンの音が聞こえなくなってたんですよね。 直前までの爆音が一瞬確かにシ〜ンとなって、カチャカチャというシフトダウンの音やマシンの同士の接触音が聞こえたりする。
1コーナーがカチカチだとどうしても滑るからライダーはイン側のラインに殺到する。結果必ずと言っていいほど集団の中で転倒がありました。かつてはそれがモトクロスだと思っていました。でも世界に行ってみたらまるで違っていたんです。

スタート5秒前の全開サウンドのまま1コーナーに入ると、全車シフトダウンして半クラ当てるので更にエンジンの音が甲高くなる。日本のように一旦止まって再びフル加速じゃないんです。教習所で教わったコーナリングの大原則⁇スローインファストアウトではなく、ファストファスト更にファストな感じ。
1コーナーがフカフカで、どのラインも同じようにグリップとトラクションしてくれるから決してインだけが有利なわけじゃない。 それに、ココでも書きましたが、スタートが決まるとライダーは確実にペースが上がる。かつては30台。今現在は40台近いマシンが全開のまま1コーナーをクリアしたら、そりゃハイペースでスペクタキュラーなレースになりますよね。
その演出というか方策として行われている1コーナーの掘り返し。長田君がコンストラクションを担当するようになって全日本モトクロスも変わりつつありますが、日本のライダーはまだまだ1コーナーの捌きが遅い。MXoNで苦戦を強いられる最大の要因も、実はそこにあるんじゃないないかと思っています。

こちらは2022年全日本モトクロス関東大会オフロードヴィレッジのコース補修。全日本OBの長田、大内両君が最良のコンディションを整えてくれました。
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